不動産トラブルの解決には
不動産に関するトラブルは年々多く報告される傾向にあります。ですが、トラブルをできるだけ早く効果的に解決するには「名をとるか、実をとるか」または「カネを惜しむか、トキを惜しむか」の二点について方針を定めておくことが大切です。
具体的な事例として挙げれば、マンション業者が購入した用地に、明らかに不法占拠と思われる建物ができていたというような場合です。マンション業者としては、建物の所有者に対して建物の収去と土地明け渡しの裁判を起こすことができます。しかし、裁判で権利関係を争うようにすると、相手が戦う姿勢を見せた場合にはかなり膨大な時間と費用が必要となります。もし裁判で勝利をしたとしても、裁判中にも発生する土地購入代金に対する借入利子を支払わなくてはなりません。
その場合もうひとつ取れる方法としては、裁判などには持ち込まず金銭を支払って速やかに退去を促すものがあります。金銭で妥協点を見いだせるなら、裁判をするよりはるかに迅速に、経費も少なく問題を解決することができます。この解決法の場合では「名よりも実を」「カネよりもトキ」を優先した判断となります。反対に裁判に持ち込んで白黒をはっきりさせる方法では「実よりも名を」取ることを目的として、何年かかっても正しく自分たちに権利があることを勝ち取ることになります。
不動産に関するトラブルは大変関わる金額も大きく、権利関係の明確化が曖昧であることがおおくなっています。