仮処分、仮差押とは
不動産のトラブルを解決するためには、「仮処分」と「仮差押」という方法が行われる場合があります。「仮処分」および「仮差押」は自分の権利を保全するために裁判所から保全命令を出してもらう手続きです。仮処分および仮差押が行われることで一括して保全処分を行うことができます。
「仮処分」とは、例えば債務者が財産を売却してしまうような事態が差し迫っており、債権者として即時に対抗策を講じなくてはならないような場合に利用することのできる暫定的な法的手段です。つまり、一定の権利を保全するために裁判所に仮の処分を命じてもらいます。仮処分により保全をしようとする権利は多種多様ですが、不動産に関しては処分禁止の仮処分、日照阻害の原因となるマンションの建築差し止めの仮処分などがあります。
「仮差押」とは、金銭再建または金銭債権に替えることができる債権の強制執行をするために債務者の財産が減少することを防ぐ目的で行われる方法です。後で正式に差し押さえされることが予定されているものを、仮に差し押さえておくという意味で「仮差押」という名前がついています。
仮処分と仮差押の手続きはほとんど同じで、裁判所に申立を行います。保全処分が行われるのは急を要する場合なので、決定を早くする必要があります。通常は書面のみで行われ、申請から決定までは短期間で行われます。裁判所が仮処分命令を出すにあたっては、通常は保証金の供託が命じられます。